海外組に会いに行こう

海外組へ会いに行った時のことや各チームの練習場の行き方などを中心に書いていきます。甲府サポ。CSKAモスクワ、フィテッセ、フェンロ、バルセロナ、などの練習場へ。

2019欧州遠征記2 足掛け4年、念願だったフェン・ウェルメスケルケン ・際選手の1部でのプレーを観戦!

「変わった名前の子がいるなぁ」とファン・ウェルメスケルケン際 選手の名前を初めて知ったのが、パラパラとヴァンフォーレ甲府のイヤーブックに載っている下部組織の選手を紹介するページを流し読みしていた時の事でした。

 

※前回の記事はこちら↓

2019欧州遠征記1 板倉選手も奮闘、VVVフェンロ vs フローニンゲンを観戦 - 海外組に会いに行こう

 

そこから数年、再びその名前を目にしたが2014-15シーズンの終盤の33節にトウェンテ対ドルトレヒトで日本人対決が行われたというニュースが入ってきた時でした。トウェンテには宮市選手がいるけどドルトレヒトに日本人選手なんていたっけ?と思って名前を確認して目にしたのが際選手の名前でした。

 

中田徹さんが書いた当時の記事

オランダで芽吹いた日本人SBの才能 「狙うはリオ五輪」挑戦続ける21歳 - スポーツナビ

 

甲府の下部組織にいたあの子か!」と驚きつつもドルトレヒトの場所を調べると、当時応援しに行っていた元甲府ハーフナー・マイク選手の所属していたデン・ハーグのすぐ近く。甲府ユース出身の子が頑張ってるならマイクの応援に行った時に観に行こうと思ったのが際選手の応援を始めたきっかけでした。

 

甲府のトップチームへの昇格は叶わず年代別代表の経験もなかった際選手ですが、高校卒業のタイミングで自分でオランダの各チームで売り込みをかけて、ドルトレヒトとアマチュア契約を結ぶ事に成功。ドルトレヒトのセカンドチームであるドルトレヒトII(4部相当)を主戦場にキャリアをスタートさせました。ただ当時はアマチュア契約だったので経済面では苦労もあったみたいです。

 

オランダに来てからの2年間、入団したドルトレヒトと際との契約は、「アマチュア」だった。だから、生活は親からの仕送りに頼っていた。

「今はプロになり、試合の間近しか炭水化物を摂らず、体脂肪率も7%ですが、アマチュアのころは食費を月100ユーロに抑えていたので、どうしても安い食材、つまり炭水化物に頼らざるを得ず、太っていたわけではないですが、身体が重く感じていましたね」

引用元: https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/jfootball/2016/03/19/23_2/index_3.php

 

そこから2年ほど経った2015年春に2部への降格が決まっていたドルトレヒトは当時20歳だった際選手とプロ契約を結びスタメンで起用。そんな経緯でプロデビュー戦はオランダ1部で飾ったものの、チームは2部への降格が決まっていたため本格的なプロ生活は2部から始まる事になりました。丁度それに合わせて私の応援も始まる事となります。

 

ファン・ウェルメイスケルケン・際選手の略歴:

 

そこから4年、定期的に応援に行って際選手のプロ初アシストを運よく観られたり、ドルトレヒトのバスツアーに参加して柵で囲まれたアウェー席で観戦するという貴重な体験をしたりと応援を楽しんでいました。しかしドルトレヒトはなかなか勝てず、移籍したカンブールでは昇格プレーオフで2年連続敗退となり残念ながら1部への復帰が叶いませんでした。

  

過去の応援に行った時のブログ記事:

 

際選手は基本的にスタメンだったので100試合以上のキャリアは積んでいたし、2018-19シーズンのベストイレブンに選ばれていたので、そろそろ1部チームからオファーが来ないものかと思っていたら遂にこの夏にオランダ1部チームのPECズウォレからオファーが来て移籍が決定。そうして4年ぶりに1部でプレーする事に。

 

この4年の間にオランダ2〜4部に挑戦した日本人の選手は際選手以外にも何人かいたのですが1部まで辿りつけた選手はいなかったのもあったので本当によく頑張ったんじゃないかと。

 

宮市選手のように日本でプロキャリアが無くても年代別代表のある選手が欧州に渡って1部でプレーするケースはありましたが、そのどちらも無くて欧州に渡って1部でのプレーにたどり着いた選手ってあんまりいないのでは無いかと思うのでニュースを聞いた時はめちゃくちゃ嬉しかったです。

 

もうこれは1部でプレーする姿を観に行くしかないだろうという事でズウォレまで行ってきました。

 

という事で遠征記です。前置き長い(笑)

 

 

VVVフェンロフローニンゲンを観戦した翌日、フェンロからズウォレへ向かいました。この日観戦予定だったズウォレRKCの試合が12:15と早いキックオフだったため早朝にフェンロ駅を出発。

 

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Venloの駅

フェンロ駅からナイメヘン(Nijmegen)経由で2時間40分(約26ユーロ)程でズウォレ駅に到着。

 

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Zwolle駅

 

駅を出て荷物を預けようとコインロッカーを探すもなかなか見つからず駅員に尋ねるとコインロッカーはプラットフォームにあるとの事。

 

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Zwolle駅のコインロッカー

 

無事荷物を預けたので(※支払いはクレジットカードのみです) 、ズウォレの街を散歩しつつスタジアムに向かう事に。下のマップの一番下が駅でその上が川に囲まれる形で中心街があります。スタジアムはマップ外にあるため写っていませんが右上にあります。徒歩で行くと40分程掛かったので、余裕がない方はバスが良いかと思います。

 

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Zwolleの街の地図

バス停は駅の南口にあって、11番のバス(30分間隔くらいで出ています)に13分程乗ってスタジアムの最寄りの"Zwolle, stadion"で下車して下さい。そこから2分ほど歩くとスタジアムに着きます。(※なおバスの情報は変わる可能性があるのでご自分でも調べてみて下さい)

 

ズウォレの中心街にはWaanders In de Broerenという教会を改修した有名な本屋があったのでそれを目当てに徒歩で向かったのですが、週末のオープンの時間が12:00からとキックの時間と近かったため断念(平日は10:00)。大人しくそのままスタジアムに向かいました。

 

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スタジアムが見えてきた

しばらく歩いてズウォレのホームスタジアム、Mac3Part Stadionに到着。収容人数は14,000人でカジノ、レストラン、ホテル、ジムも組み込まれている複合型のスタジアムでした。

 

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Mac3Park Stadion

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レストラン

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ホテル

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ジム

 

もちろんオフィシャルショップもスタジアムにありました。ただユニホームに際選手の名前と背番号の31をプリントするようにお願いしたところ、その場ではプリント出来ないため1週間後の受け取りになるとの事だったため、残念ながらプリントは無しで購入。もし現地で際選手や中山選手のプリントをしたい人は事前にメールで注文して受け取れないか相談してみると良いかもしれません。

 

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オフィシャルショップ

 

そしていよいよスタジアムへ。まず思ったのがスタジアムのグレードが上がったな〜と。ドルトレヒトのスタジアムが4,000人、カンブールが10,000人、そしてズウォレが14,000人。移籍する度に着実にステップアップしてるのを感じた場面でした。

 

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Mac3Parkのピッチ

 

そして試合の方とはいうと際選手は前の試合に続いて右SBでスタメン(残念ながらもう1人の日本人選手の中山雄太選手は怪我のためベンチ外)。キックオフからズウォレが押し気味にゲームを進め、前半26分に右サイドに来たパスを際選手がダイレクトで中に折り返し、こぼれた所をHassaniが蹴り込んでズウォレが先制します。

 

※先制点の動画

 

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際選手のプレアシストでズウォレが先制

 

がその直後にRKCに立て続けにそんなん普通入らんだろういうゴールを連続して決められて1-2で前半終了。

 

後半もズウォレが押し気味に進めるもののなかなか点が入らなかったのですが、元イラン代表のグーチャンネチャドが投入された直後の後半15分に同点弾を叩き込んで2-2の同点に。

 

そして後半35分に遂に待望の瞬間が訪れました。右サイドを駆け上がった際選手が高速クロスをゴール前に送るとグーチャンネチャドの頭にドンピシャで合って逆転となる3点目が産まれました。際選手も思わずジャンプしてガッツポーズ!

 

際選手のエールディビジ初アシストが逆転弾を呼び込んで僕も周りの観客とやったーと絶叫(笑) 本当素晴らしいクロスだったので下の動画見てください!(笑)

 

※際選手の初アシストからのゴール

  

そして逆転後もズウォレ攻撃陣が止まりません。グーチャンネチャドが更に2点を挙げてスコアは5-2に。(グーチャンネチャドは途中出場から4点決めたのですがこれはエールディビジで初めての事だったそうです。)

 

そして更に終了間際のロスタイムにまたも際選手のアシストからゴールが生まれ、終わってみれば6-2の圧勝!

 

※際選手のこの日2度目のアシスト

 

ピッチに立つ姿が見られたらと思ってオランダまで飛びましたが、終わってみればフル出場かつ2アシストの大活躍とファンにはたまらない1日となりました。

 

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試合後のファン・ウェルメスケルケン・際選手と

 

試合後のインタビューでは夏にヴァンフォーレ甲府でトレーニングしてた成果が出たと甲府のサポーターにとっても嬉しいコメントを残してくれていました。 

 

「僕は甲府のアカデミー出身なので、(帰省時は)ヴァンフォーレでトレーニングしていたのです。何度も何度も金園英学さんにクロスを合わせる練習を繰り返した成果が、このワールワイク戦で出ました。また、右サイドバックの細かな動きは、武岡優斗くんからいろいろ教わったんです」

引用: https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/wfootball/2019/09/18/___split_76/index.php

 

 オランダでアマチュア契約からスタートして、地道に積み重ねて1部の舞台まで這い上がって来た際選手。自分が見ていたのはそのうちの直近の4年だけですが、着実にステップアップをして本当に凄いなと。

 

今シーズンも出場を増やしていっているのでまた応援に行ける日が楽しみです。まだまだ彼の事を知らない人も多いかと思うので、興味を持った方は際選手の応援よろしくお願いします!

 

続きはトウェンテの練習見学となります。

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