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ヴァンフォーレ甲府が残留したので2016シーズンを徒然と振り返ってみます

勝ち点1差でヴァンフォーレ甲府はなんとか残留!

だいぶ経ってしまいましたがヴァンフォーレ甲府は2016シーズンを14位で終えて残留を決めて2017シーズンもJ1で戦えることとなりました。当時は嬉しいよりもホッとしたという気持ちの方が大きかったのをよく覚えています。そして毎年このセリフを言ってる気もしますが(笑)「とにかく今季はきつかった」です。

 

甲府のサポーターからだとそんなの知ってる!となるかもしれませんが、今シーズンの甲府はこんな事が起きていたというの感想と合わせて徒然と書いてみます。

 

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甲府のサポーターでない人でも、Jリーグ好きな人ならシーズン前に甲府が主力を引き抜かれたのはなんとなくは知っているのではないでしょうか?

 

具体的な名前を挙げていくと、阿部拓馬(→FC東京)、阿部翔平(→ジェフ千葉)、伊東純也(→柏レイソル)、下田北斗(→湘南ベルマーレ)に下部組織出身の甲府の至宝・堀米勇輝(→京都サンガ)が去りました。契約更新とならなかったバレーやパラナに関しては年齢等も考えるとしょうがないかという思いもありましたが、長年ゴールマウスを守った荻晃太(→名古屋グランパス)までも去ってしまいました。※フォーメーションで表すと以下の赤字の選手がいなくなった選手です。

 

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得点ランクとアシストランクの上位の選手がすべていなくなる非常事態でした。

 

得点ランキング

  • 1位 バレー(8)
  • 2位 阿部拓馬(5)
  • 3位 伊東純也(4)

アシストランキング

  • 1位 阿部翔平(3)
  • 1位 阿部拓馬(3)
  • 2位 伊東純也、阿部拓馬、堀米勇輝(2)

 

特に生え抜きの堀米が移籍してしまったのは甲府のサポーターにとっては驚きでした。いつか帰ってきてくれると思っていますが・・・。そして個人的には伊東純也がこんなに早く引き抜かれたのはショックでした(苦笑)大卒1年目ながら数年後に日本代表に入るんじゃないかというプレーをしていたのでいつかは上位のクラブに引き抜かれてしまうんじゃないかと思っていましたがこんなに早いのは想定外でした。

 

主力が大量に抜けて始まった2016シーズンだったものの

 

前方の選手がほぼ総とっかえに近い状態だったので、一体どうなるかと思っていましたが蓋を開けてみたら開幕戦は神戸に2-0の快勝に加え初のJ1首位での発信となりました。

 

ワントップで新加入のニウソンは正直それほどゴールは出来る感じはなかったものの、チェイシングやポストプレーがそこそこ出来たことで復帰したエースのクリスティアーノ(柏レイソルから復帰)が得意の前を向いてのプレーが出来るようになり2得点を挙げ、上位チームにもひと泡吹かせられる位の材料は揃ったなかなと。十分残留を目指せるんじゃないかという手ごたえを得ることが出来ました。

 

勝ちきれない試合が続く

 

しかしその後は思った以上に勝ち点が伸びずに1stステージは17位と降格圏で終わってしまいました。このメンバーならJ1でも戦えると思っていたものの、過去10年で見たことが無いくらいに怪我人が続出してしまったのが痛かったです。

 

例えば3バックは去年のレギュラーが全て怪我で離脱して本職ではないウイングバックの橋爪勇樹をCBにまわしたり、ボランチは稲垣祥以外の全員が負傷(新井、保坂、ビリー、黒木が怪我)、WBの橋爪、松橋も何回か離脱がありました。そしてFWもニウソン、盛田、チュカが負傷等でCFを固定できずに本来はシャドーに使いたいクリスを使ったり、更には本職CBで高卒2年目でJ1経験なしの熊谷をワントップのスタメンに置いたりとかなり苦しいやり繰りが続きました。

 

サポーターもどんなスタメンになるのか分からないような試合が続き、試合も先制しても追いつかれる、もしくは大量失点でなすすべなく負けるといった試合が続きました。この時期はゴールを挙げるも勝ちきれずピッチをたたいて悔しがるクリスティアーノの姿を何回もみる事となりました。

 

シーズン中のエースの移籍

1stの開幕直前にクリティアーノに中国からのオファーがあったとニュースがありました。この時はチームが慰留して残ってくれましたが、今シーズンで彼との契約が終るので移籍金も考えると彼が夏の中断期間に移籍する可能性自体は低くないと思っていました。 

 

そして実際に移籍する事となりましたがその移籍先が去年まで彼がレンタルで所属していた柏レイソルだったのが驚きでした。というのも柏レイソルは彼の移籍金が高くて買取を諦めてその代わりに伊東純也を取ったと思っていたので、シーズン中にクリスを取りにくるとは思っていませんでした(苦笑)

 

これなら最初から買い取ってくれれば・・・と思いましたがどうにもなりません(涙)

1stステージで17位と低迷する中、7得点を挙げていたエースがいなくなった影響は予想以上に深刻で彼が移籍して始まった2ndステージの最初の三試合全てが無得点に終わり、ゴールを奪う形も見えて来ず降格がじわじわと迫ってくるのを感じていました。

 

ドゥドゥで生き返る甲府の攻撃

 

そんな状況で2ndステージ第4節の鹿島アントラーズ戦でクリスティアーノの代わりに獲得してきたドゥドゥがいきなりの大活躍で甲府の攻撃を生き返らせました。クリスのような前を向いた時の迫力や強烈なキックはないものの、パスもドリブルもポストプレーも満遍なくなんでもこなせて味方を使う事にも長けていました。

 

鹿島戦は3-3の引き分けに終わったもののドゥドゥもゴールをあげ連続無得点試合も終わり希望が再び見えてきました。

 

その後も上位陣に大量失点する試合はあったものの、残留争いをしていた名古屋・新潟相手には勝ち点3を取れた上に強豪の広島にも勝った事から降格圏を抜け、残り8試合時点では降格圏のチームに勝ち点8差をつけたことで残留がだいぶ見えてきました。

 

まさかの降格圏へ再び

ドゥドゥの活躍もあって他の選手のプレーも生き返り希望が見えたのも束の間、思わぬ落とし穴が甲府を待っていました。2ndステージ11節のガンバ大阪戦で試合を落とした上にドゥドゥが負傷離脱。まだ6試合が残っていましたがドゥドゥ戻って来れるのが早くても残り3試合のタイミングになりそうだという甲府には余りにも痛いニュースでした。

 

そしてそこからの3試合は2敗1分けと勝ち点を伸ばせず、反対に監督を変えて闘莉王を呼び戻した名古屋が猛追して遂に甲府を追い抜き再び甲府は降格圏へ転落しました。

 

アウェーで土壇場での逆転 

 降格圏で迎えた15節のアウェー福岡戦でドゥドゥがなんとか復帰。ただコンディションがいまいちなのかドリブルで相手も振り切れずコンディションは決して良い状態には見えませんでした。更には福岡に決定機を何度か与えた上にオウンゴールで福岡に先制を許す苦しい展開に。

 

0-1で迎えた後半34分にボールを拾った橋爪勇樹が長いランニングからドゥドゥにボールを出して、相手を十分に引き付けたドゥドゥが完璧なリターンを返して橋爪がペナルティエリアに侵入。前にいた相手CBを引き付けてからフリーのダヴィにパスを送りGKとの1vs1を冷静にダヴィが決めて遂に同点。コンディションがなかなか上がって来なかったダヴィとこの日は身体の重そうだったドゥドゥが大仕事をやってのけました。

 

ただ降格圏の甲府はこのまま引き分けで終わるわけには行きません。そうして迎えたロスタイムを迎えようかという後半45分に味方のシュートが弾かれたボールをドゥドゥがヘッドで押し込み劇的な逆転勝利をあげて再び降格圏を脱出しました。

 

そして残り2試合は連敗したものの他のチームも勝ち点を伸ばせず甲府が4年連続の残留を決める事が出来ました。得失点差では分が悪かったのであと1点でも勝ち点を落としていたら降格とギリギリの状況でした。

 

14位 甲府(勝ち点31 得失点-26)

15位 新潟(勝ち点30 得失点-16)

-------- 降格圏 -----------

16位 名古屋(勝ち点30 得失点-20)

17位 湘南(勝ち点27 得失点-26)

18位 福岡(勝ち点19 得失点-40)

 

そして2017シーズンは・・・

予算的にはJ2と比べても中位の甲府がJ1で5年目を迎えられる事はとても凄い事だという反面、予算の割に頑張っているという枕詞がいつの日か取れるといいなというのも正直な気持ちです。

 

来年も現実的には急に予算が増えるわけでもなく、選手、スタッフ、クラブハウス、練習場、etcと色んな項目があるものの振り分けられるパラメーターは他のクラブと比較して限られているためどこからしらで割り切る部分は出てくるんじゃないかと思います。

 

来シーズンは吉田達磨監督になる事で、今までは結果優先で守備的だった戦いを少し変えるのかもしれません。

 

思えば最初のJ1での戦いでは思いっきり攻撃的なスタイルでいったものの2シーズンで降格し、2度目はよりバランスを取るスタイルに変えたもののはまらず1シーズンで降格となり、3度目のJ1では最初は今よりも攻撃的だったものの8連敗と勝てない時期にシステムを3バックに変えたり人を入れ替えたりとして今の守備的なスタイルの原型に辿り着きました。

 

ある意味理想よりも現実を取って守備的なスタイルにして結果優先でなりふり構わなかったことで毎年降格候補に挙げられながらで遂に5年連続のJ1となりました。それによって専用スタジアムの建設の動きは出始めた半面、観客数の減少などの問題も見えてきたので甲府も変化が必要な時期に来たのかもしれません。

 

そういう意味でも来シーズンをどんな戦い方、どんなマネジメントをするのかが楽しみです。相変わらず苦しい戦いか続くのかもしれませんが(苦笑)

 

湘南ベルマーレのアプローチ

 

甲府が理想のサッカーよりも現実を優先させたのと反対に、予算的にも近い湘南ベルマーレが自分たちのスタイルに拘ってJ1で近年戦っていたので個人的に非常に注目していました。残念ながら降格となってしまいましたが、甲府とは違ったアプローチで戦っている湘南がまたこれからどうJ1を目指して戦っていくのか個人的には注目しています。

 

最後に・・・

 

徒然と思いつくままに書いて来ましたがドゥドゥの事ばかり書いてた気がするので他の選手の事も(笑)。阿部拓馬と伊東純也が稼いだ9点をどう埋めるのかと心配していましたが終わってみれば稲垣祥&田中昌佑で10点も挙げてくれました。

 

2016シーズンの甲府の得点ランキング

  • 1位 稲垣祥(5)
  • 1位 田中昌佑(5)
  • 3位 ドゥドゥ(4)

去年の2人は華麗なドリブルシュートからのゴールが多かったですが、泥臭いランニングが武器の田中と稲垣がより多くのゴールを挙げたのもまたサッカーの面白い所だなと。多分この2人はほとんどがペナルティエリア内のボールをワンタッチで押し込んだのが殆どだったと思いますが、最後まで集中し続けることでもこれだけのゴールを挙げられるんだなと驚かされました。

 

後は橋爪勇樹が今シーズン本当に伸びたなと。2年目が終わった時点であまり試合にも絡めずどうなっちゃうのかなと心配でしたが3年目にあたる去年の後半に試合に絡む頻度が増えて今年は沢山チームを助けれくれたんじゃないかと。特に阿部(翔)、下田、堀米とプレースキッカーがごっそりいなくなった中でFKから2アシストを上げるなどとキッカーとしても活躍してくれました。

 

甲府は即戦力の選手が簡単には取れませんが、こういった選手が成長していく所を観られるのも1つの楽しみだなと改めて感じさせてくれました。

 

他にもいっぱい書きたいのですがきりがないのでそろそろ終わりたいと思います。

 

来シーズンも簡単じゃないでしょうけど残留、いやそれ以上を目指しましょう!

 

ということで締めます、ちゃんちゃん。